ダウン・バイ・ロー(1986)
Down By Law

監督:ジム・ジャームッシュ

やはりこれをいっとかなきゃイカンでしょ。
ジム・ジャームッシュの長編で一番人気のある第3作目「ダウン・バイ・ロー」!
これはオレの中でも特に好きな部類に入る映画だ。

ジャームッシュ映画の評価は観る人によって大きく分かれる。
「あんなのどこが面白いの?」「あんなイイ映画はめったにない!」
人によって観点が違うからそれは当たり前。
むしろ万人にウケる映画ほど中身がない場合が多い。

ジム・ジャームッシュ作品をはじめてみたときはビックリした。
これじゃなくて「ストレンジャー・ザン・パラダイス」だった。
他人のリコメンドだったが、今までに観たことのないTYPEだったんだ。
低予算、モノクロの映像、何か起こりそうで起こらない空虚なCOOLさ、じわじわとくる妙な可笑しさ…。
大味でこれ見よがしなHollywood映画を見飽きてたオレには充分すぎる衝撃だった。

そしてこの「ダウン・バイ・ロー」。
「ストレンジャー〜」と同じくひたすらシニカルな雰囲気。
最高にバカバカしくてカッコいいコメディだ。

ラウンジ・リザーズのジョン・ルーリー演じるぽんびきジャック。
歌う詩人トム・ウェイツ演じる失業中のDJザック。
カッコばかりつけてるが一般から見ればどうしようもないチンピラだ。
彼らはそれぞれ誤解のもとに逮捕され刑務所で同房となる。
お互いに意地っぱりでとっても仲が悪い二人。
それなりにシニカルな獄房シーンなのだが、そこへヘンなイタリア人旅行者
ロベルト・ベニーニが入ってくることで妙な可笑しさを伴うコメディに発展していく。
それぞれ全く違う性格で特に仲良くなれない3人は脱獄という目的で団結するが…

この映画ジョン・ルーリーとトム・ウェイツはホントに良い。
すげーカッコ悪くてホントダメな人間なんだけど見ようによっては妙に男っぽくてカッコイイ。
あーゆーガキっぽいともいえる生き方の男ってのはある種のロマンを感じさせる。
んでもって対するロベルト・ベニーニはとっても面白い。
あのある意味自分勝手なマヌケ変人ぶりはめちゃハマってる。
いちいち他の2人とピントがズレてるのでホントに面白い。
とくに逃亡中、誰も聞いてないのに一人で語る「かあさんのウサギ料理」の話はめちゃ面白い!
何度観ても笑えるシーンだ。

そして美しいラストシーン。
ジャックとザックがちょっとした、しかしとってもイカすやりとりの後、別々の道を行くラストシーン。
こいつはとっても深い余韻を残す。
大量生産モノとは明らかに違う感覚。
「あー"イイ"映画だったなー…」
オレが本気でそう思える数少ない作品だ。

興味のある人は一度観てみてちょーだい。


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