恐怖の報酬（1952）
Le Salaire De La Peur

監督：アンリ・ジョルジュ・クルーゾー

ホラーではないんですが、とっても怖い映画には違いない。
名作中の名作でしょう。

イヴ・モンタン演じるマリオとルイジら（ん？どっかで聞いたような…）４人の男が２台のトラックに分乗、
遠く離れた油田へ大量のニトログリセリンを届けるお話。
危険物を遠くへ運ぶというけっこー単純な恐怖なわけですが、これが怖い。

ちょっとした衝撃や熱で大爆発を起こすニトロ。
普通の生活を営む一般人にはなかなかピンと来ないが、監督もそれをわかってらっしゃる。
前半において、一滴のニトロを爆発させるシーンがあるのだ。
この「わずか一滴での爆発」が前半に挿入されていることによって、後半はスリル200倍だ。

道中は映画になるくらいだから、もちろん普通の道ではない。
悪路中の悪路である。
腐った木の足場、急カーブ、でかい岩…、何も積んでなくてもキツイ道だ。
そんな道を大量のニトロとともに走るのはめちゃくちゃ怖いはず。
4人に死の恐怖が片時も離れずにつきまとう…。
まさにスリルとサスペンス、手に汗握るってヤツだ。

有名なシャンソンのシンガー、イヴ・モンタンはこの作品の出演を機に国際的な映画スターとなった。
たしかにハマってる。
知らない人が観たらずっと俳優だったと思うに違いない。

77年にW・フリードキン監督・ロイシャイダー主演でリメイクが創られてるがこれもけっこう面白い。
しかしこれも他のリメイクと同じくオリジナルは超えてないと思うな。